♪野焼きの火が広がれば、海を渡って春が来る♪と歌われている阿蘇の野焼き。あの雄大な緑の草原を守るために、毎年、冬の終わりに野焼きが行われています。
先日、阿蘇をドライブ中に野焼きに遭遇、そのスケールの大きさに驚きました。あの広さを焼くにはかなりの人手が必要ですが、見ているうちにボランティア参加したくなったんです。その理由とは・・・?
この記事では、走った気になるドライブの様子とともに、阿蘇野焼きボランティアについてもご紹介します。
目次
野焼き前の草千里を目指してドライブに出発!
今回、阿蘇の草千里(くさせんり)へドライブするきっかけになったのは、SNSの書き込みでした。
「3月14日に予定していました草千里の野焼きは、天候不順のため、延期します」
もう野焼きの季節なんですね。冬の間は、枯草が織りなす黄金色の草原。その草千里もいよいよ見納めです。野焼きの前に、もう一度、散歩しようと思って、ドライブに出発しました。
由布岳PAで降りてやまなみハイウェイ走って阿蘇へ!
今回のルートは、大分自動車道路の由布岳スマートICを降りてやまなみハイウェイを通り、くじゅう、瀬の本高原、JR宮地駅を通って、JR阿蘇駅に到達。それから、阿蘇登山道路を進むコースを選びました。
景色が美しい由布岳スマートIC
この日の天気予報は晴れ。1時間ごとのポイント予報を見ても、全て、晴れマーク!こんな日は、大分自動車道路を、日出(ひじ)JCT側から湯布院IC向きに走ると、絶景の中の高速走行が味わえます(もちろん安全運転優先!)
【ご注意】由布岳スマートインターはETC専用です。また、由布岳PAに駐車することはできません。
黄金色の由布岳も見納め
やまなみハイウェイに合流すると、由布岳の横を通ります。この日は、まだ、野焼きしていませんでした。冬の由布岳の姿も見納めですね。
くじゅう長者原は幻想的な景色でした
由布岳を過ぎ、湯布院の町を過ぎ、水分峠を通って、くじゅうの長者原へと進みました。この日のスポット天気予報では、晴れマークばかり出ていたのですが、実際は↓こんなふうに幻想的な世界でした。
JR阿蘇駅前までやって来た
「祝 全線開通」の横断幕が印象的。これは、熊本地震の被害で寸断されてしまったJR豊肥線の復旧工事が進み、2020年の8月8日に豊肥線全面開通した(出典:みなみあそ観光局)ことを祝う横断幕です。
阿蘇パノラマラインを走っていたら野焼きに遭遇!
今回のドライブの目的地、草千里は、JR阿蘇駅前の交差点から中岳に向かう阿蘇パノラマライン(阿蘇吉田線)の途中に位置します。
阿蘇駅前から始まる阿蘇パノラマラインを走る!
パノラマラインの入り口!
早速、JR阿蘇駅前のロータリーを出発して、パノラマラインに入りました。もちろん、阿蘇駅前交差点は、何の変哲もない、ただの交差点ですが、ずっと向こうに、これから登る阿蘇五岳が見えています!
毎日、こんなに近くで阿蘇五岳が見れるなんて、羨ましいですね~♪
山道に入ると
山道に入ると、最初は、木々の間を進みます。周囲の景色は見えません・・・。
視界が開け「牛馬注意」
山道をしばらく進むと、阿蘇いこいの村に左折する分岐点にさしかかります。ここからが、ぱっと視界が開けるんです。
視界が開けてすぐのところにある標識がこれ↓、「牛馬注意」と書かれています。こんな表示、他では見たことありません。なんだか心が和みますね~♪
ちなみに、漢字の「牛馬注意」の下側にある英文をよく見ると、「Caution Large Animal(大きな動物に注意)」と書かれてはいますが、Cow(牛)ともHorse(馬)とも書いてないのが謎(?_?)。もしかして、像やキリンも想定?(笑)
おや?燃えていますね~
「牛馬に注意」の看板の左手にうっすらと見えるのが、根子岳(ねこだけ)です。いわゆる「仏さんの寝姿」の顔の部分の山です。
・・・と、根子岳を眺めていると、右の方から煙が上がっています。
野焼きです!
草千里の野焼きは延期になっていますが、この辺りは、延期しなかったようです。
初めて出会った阿蘇パノラマラインの野焼き
そのままパノラマラインを進むと、あちこちの山肌から煙が上がり、黒い色に変化しているのが分かります。
阿蘇で野焼きがなされていることは、何となく知っていましたが、実際に遭遇したのは、これが初めてです!
パノラマラインのすぐ横の草むらまで火が迫っていました。
山肌にも赤い炎が揺れていました↓
米塚の野焼き
次の写真で、左奥にある丘みたいな山が米塚(こめづか)です。夏の米塚は、一面に緑の草が生え、頬ずりしたくなるようなフワフワした山なのですが(個人的見解です)、これから焼かれるところのようです。
パノラマラインを中岳まで走る!
黄金色の草千里は真冬の寒さ!
パノラマラインをそのまま進み、今回の目的地、草千里に到着。
展望所に車を停め、外に出てみると、ヒューヒューと冷たい風。。。。
天気予報では、晴れマークだらけだったのですが、曇っていて、気温は5℃、風が強くて、ぶるぶるぶる・・・。
散歩は潔くあきらめて、このまま、中岳の駐車場までドライブを続けることにしました。
パノラマラインの見どころの一つは波打つ柵
中岳までのルートを走っていると、途中、道路との境に設けられている柵が「波打って」いる場所があるんです。手作り感というか、アナログ的というか、温かみを感じてしまうから不思議です(個人的見解です)。
あれあれ、雨つぶがフロントガラスに・・・。
古坊中付近は野焼きの準備で人が集まっていた
中岳のすぐ手前の草原は、古坊中(ふるぼうちゅう)と呼ばれています。ここには、戦国時代よりも前の時代に、「36坊52庵もの寺院群が立ち並んだ」と伝えられている場所です(出典:阿蘇市公式HP)。
ここに人が集まってきていました。これから、野焼きを始めるようです。小雨がパラパラ落ちているので、あまり時間をおくと、草が湿って火がつかなくなるかもしれませんね。でも、焼けたあとに雨が降るのは火災のリスクが回避できて有難いですよね。
古坊中に火が入った!
中岳の駐車場まで進んで、Uターンしていると、古坊中に火の手が上がっているのが見えました。
近づいてみると、炎の勢いのすごいこと。車のガラス越しに、火の温かさが伝わってきます!
丁度いいところに、車が停められる広場があったので、車を入れました。
車やバイクで通りすがりの人たちが、やはり、野焼きの炎に惹かれて、集まって来ていました!
野焼きの炎に一目惚れ!?
野焼きの炎って、ゆらゆらと燃え上がり、心を癒してくれるんです。心に温かい火が付いた気分になるから、不思議ですね~♪ 一目惚れしていまったかな(笑)
きれいに焼き上がった米塚を見てボランティア参加したくなった!
先ほど、野焼きの火が迫っていた米塚はどうなったでしょうか。そこで、米塚が良く見える西側ルートを通って下山してみました。
見えました!
これはお見事!真っ黒にきれいに焼き上がっていますね。
一か月もすると、草の芽が出て、緑に覆われ、フワッとした緑の山になるでしょう。そうすると、多くの人が見て感動し、沢山の写真が撮られる・・・。もし、その風景の中に自分が野焼き作業をした箇所があったら、「右側のあの斜面は、僕が焼いたんだ!綺麗な草原になってみんなに喜んでもらえてよかった!」みたいに、思うでしょう。
そう考えると、野焼きに参加するのは、雄大な阿蘇の風景作りに参加しているようなものかもしれませんね。
心の中が熱くなる野焼きボランティア
20年ほど前、野焼きボランティアを募集したところ、290名も研修に来てくれて、地元の人を驚かせたそうです。
最初は地元からも「自分たちも大変な作業なのに都会の人が進んでやってくれるわけがない」と言われ、行政からも「初心者研修会には50人集まればいいほうだ」とされていたのですが、実際の最初の研修会には290名の参加があり、地元から大変驚かれました。
阿蘇クリーンストック公式HPより引用
でも、その理由が分かるような気がします。
今回のドライブでたまたま遭遇した野焼きですが、実際に目の前で野焼きの火を見ると、スケールの大きさに圧倒され、心の中が熱くなるのを感じボランティア参加もいいなと思ったからです。まとめると・・・、
- 野焼きの火で心の中が熱くなり感動できるから
- 阿蘇の雄大な風景作りに参加できるから
- 自分が焼いた後に育った草原を見て、多くの人が癒されるから
そのうちチャンスがあれば、ボランティア参加したいですね~♪