【山歩きの必需品~地図】国土地理院の地形図もお薦めする2つの理由とは?

地形図とコンパス

山歩きの必需品「地図」。スマホでも地図は表示されますが、それとは別に、国土地理院の地形図つまり、紙の地図もお薦めします。何故って?これから、そのワケをお話ししますね。

目次

そもそも、地図の役割は?

その前に、そもそも山歩きにおける地図の役割とは何でしょう? 諸説あるとは思いますが、私は次の3つだと思います。

役割1 計画を立てるため

どこをどのように歩こうか?と計画を立てる時、地図が活躍します。

役割2 行った気になって盛り上がるため

地図をくまなく見ていると、いろんな発見をして、いつの間にか行った気になって気持ちが高揚します!

役割3 安全に山歩きするため

山歩き当日、道に迷わずに安全に歩くためのナビゲートをしてくれるのが地図です。

国土地理院の地形図とは?

国土地理院の地形図のことを詳しくお話ししますね。

空から街の写真を撮ったような地図です!

この世にパソコンが無かった時代から活躍してきた正確な紙の地図が、国土地理院の地形図です。

まるで、空から街の写真を撮ったような地図で、山や川などの地形はもとより、建造物は何でも正確に描かれていて、縮尺1/25,000の地図では学校の校舎の並びやプールの位置までも読み取れます。街全体を空から観察しているような気分になれて楽しい地図ですよ♪

山歩きの予習になる1/25,000の地形図!

縮尺1/25,000の地形図は、歩く人間にとってちょどいい縮尺(つまり情報量)の地図で頼りになります。自宅に居ながら、これから歩こうとしている場所を空から観察するような感じになるんです。

「あっ、小さな橋がある」「標高差は10メートルしかないんだ」「この辺りは草原みたいだ」

などなど、様々な情報を読み取って予習することが可能で、すっかり行った気になって楽しいです!

お薦め理由1

地形図にはリアルな情報が盛りだくさん。予習としてじっくり観察するほど、発見が増え、すっかり行った気になれる!

地形図がネット閲覧できるようになり便利になった!

パソコンもインターネットも無かった時代は、大型書店の地図コーナーまで買いに行く必要があった地形図ですが、今やネットの時代、国土地理院のHPで閲覧することが可能になりました!

自宅で山歩きの予習に使ったり、その地図をプリントアウトしてマップケースに入れて持参するなど、使い勝手が広がりました。

そこで、具体的な例をご紹介します。

実例:タデ原湿原を予習する!

1 国土地理院公式サイトにアクセスする

本ブログでよく話題にしています、大分県のタデ原湿原を例にお話ししますね。

まず、国土地理院の公式サイトにアクセスします。

そして、「地理院地図を見る」をクリックすると、世界全体が表示されますので、日本国内の大分県にズームしていくと、下記の地図が表示されます。左下の表示が「100m」の時の縮尺が見やすいです。

うまくいかないときはコチラをクリックしてください。

国土地理院公式HPより

2 表示された地図をじっくり眺める

表示された地形図をじっくり眺めて鑑賞しましょう。

  • タデ原湿原の木道ってこの点線かな?
  • 湿原の南側の木道は、森の中のようだ。
  • 湿原の中を、小川が流れているんだ。
  • どの木道をどちら向きに歩こうかな。

などなど、妄想を膨らませると楽しいです♪

もし、航空写真と見比べるなら、google map で同じ地点を表示すると便利です!

Google map より

3 断面図を表示してみる

地形図画面の右上に「ツール」というアイコンがあるので、ここをクリックするとツールが表示されますが、その中から、「断面図」を選びます。

国土地理院公式HPより

断面図を選んだら、自分が歩いてみたいコースをなぞりながらクリックしていきます。

国土地理院公式HPより

すると、次のような断面図が表示されます。

国土地理院公式HPより

「断面」というのはこの高低差グラフのことです。

このグラフをじっくり観察して楽しみます。

1030m地点からスタートし、1025mまで少し下り、それからじわじわ登って1085mに到達。900m移動する間に60m登ればいいので楽だなあ。ゴールまでの移動距離は約2,200m。60分かけてゆっくり歩いてみよう♪

4 磁北線表示する

方位の「北」とは、北極点のある方向で、地形図の真上の方向です。しかしながら、地球の磁力線は微妙にずれていて、必ずしも真北を向いていないそうです。

そこで、方位磁石が実際に指す向きを「磁北」といい、磁北を示す線を「磁北線」と言います。

方位磁石を使う前提の地図には、磁北線を書き込んで置く必要があるのですが、国土地理院のHPでは、これを表示する機能があります。

右上の「ツール」をクリックし、「その他」をクリックすると、6種類のアイコンが表示されますが、その左上にある「磁北線」をクリックします。

国土地理院公式HPより

すると、この図のように磁北線が赤い線で表示されます。

5 プリントアウトしてマップケースに収納する

表示している地図を、プリントアウトします。

画面右上の「印刷」アイコンをクリックするとプリントアウト可能です。用紙のサイズ、向きなど細かく設定すると、使いやすい地図が印刷できるでしょう!

プリントアウトした地図は、水に弱いので、マップケースに収納しておきましょう。

6 スマホアプリでも見ておこう!

トレッキング用のスマホアプリが出ていますね。これらのアプリでも、同じコースを見ておくといいでしょう。

地形図とコンパスで歩いてみよう!

プリントアウトした地図をマップケースに収納して、コンパス(方位磁石)を使いながら歩いてみましょう。

地図を真北に向けるには

1 コンパスのへりを磁北に向ける

コンパスの針が指している磁北とコンパス本体の向きを合わせます。

2 地形図の磁北線をへりに合わせる

次に、地形図に引いている磁北線とコンパスのへりを合わせます。

すると、地図は正確に真北を向いた状態になります。

こうして真北を向けた地形図を見ながら、周囲の景色を眺めると、あのあたりは、登りがきつそうだとか、いろいろな発見がありますよ~。

アナログはハプニングに強い!

GPS内蔵のデジタル機器なら、瞬時に地図を表示できるでしょう。

でも、山は電波が来ない場所もあれば、電池切れや、機器の落下など、思わぬハプニングが起こり得ます。

一方、紙の地図とコンパスって、電池切れもしないし、落下しても壊れません。心強いです!

お薦め理由2

紙の地図は、電池切れもしないし故障もしないので、いざという時に役に立つ。

国土地理院の地形図もお薦めする2つの理由とは~まとめ~

スマホなどGPS機能が付いた機器は、瞬時に居場所が分かるなどのメリットがあります。一方、紙の地形図は、故障しない・電池切れしないなどのメリットがあります。

だからスマホさえあればいいと思わずに、国土地理院の地形図も用意しておくのがいいと考えています。

地形図は、読み込めば読み込むほど、発見があって、盛り上がります。ぜひお試しください!