【山歩きのレインウェア】初心者に高価なゴアテックスって本当に必要なの?

山歩きを始めるのに山歩きグッズが必要。そのときよくぶつかる疑問が、「レインウェアってどの程度のものが必要なの?」という点ではないでしょうか。ヘビーな登山なんてする予定の無い山歩き初心者に、値段のはるゴアテックス製のレインウェアなんて本当に必要なのだろうか?という疑問です。

この記事では、その点に絞ってお伝えしますのでご参考になれば幸いです。

目次

そもそも、ゴアテックス(Gore-Tex)って何?

ゴアテックス(Gore-Tex)というのは、アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が製造販売している防水透湿素材の商品名です。

防水透湿素材

防水透湿素材」というのは、その名の通り、「水は通さないが水蒸気は通す」という不思議な素材のことです。

なぜそんなことが可能なのか?

防水透湿素材の表面には、非常に細かい穴が無数に空いているそうで、その穴の直径よりも小さい水蒸気分子は素通り出来るけれども、その穴よりも大きい水分子は通り抜けられない、ということだそうです。

この素材を、山歩き用のレインウェアに使えば、雨は防ぐけど汗で蒸れないという理想的なレインウェアが実現できます。

なぜ、商品名「ゴアテックス」にこだわっているの?

防水透湿素材は、ゴアテックス以外にも、複数のメーカーから出されています。しかしながら、私自身が実際に使ってみて、性能が不十分だと思ったメーカーも実際にあるんです。

そこで、この記事では。自分で試して満足できる性能だと確認できているゴアテックスのレインウェアに絞って述べています。ご了承下さい。

山歩きで久住山に登る場合のレインウェアは何がいい?

阿蘇くじゅう国立公園の中に、久住(くじゅう)山という標高1,786メートルの山があります。山歩きで久住山に登る場合のレインウェアを例にしてお話しします。

久住山は、誰でも気軽に登れる人気の山

久住山は、誰でも気軽に登れる山。私が住む福岡県では、学生たち(小学生・中学生・高校生)が、学校の主催する宿泊学習で登っているのをよく見かけます。やまなみハイウェイの牧ノ戸峠の登山口(標高1,500メートル)から登り始めた場合、標高差はわずか280メートルほどしかありませんし、岩がゴロゴロした緩斜面が殆どですので、山歩きにはぴったりの山です。

ビニール合羽を羽織った学生さんは・・・

山の天気は変わりやすいもの。ある年の8月のはじめ頃、久住に登っている途中に急な雨に見舞われました。

傘は役に立ちません。なぜなら、風の影響で、雨は横から降りかかるからです。だから合羽(レインウェア)が必要なのですが。

ビニールの合羽(写真はイメージです)

ある中学校の生徒さんたちが団体で登っていましたが、雨が降ってきたので合羽を羽織り始めました。その中のお一人は、コンビニやスーパーなどでよく見かけるビニール製の安価な合羽、いわゆる100円合羽を羽織りましたが・・・。

突風にあおられて、ビニールの接合部が破損!

結局、バラバラになってしまって、用をなさなくなり、ずぶ濡れ状態になりました。

教訓

安過ぎるビニール合羽は、突風で破損するので、山歩きには向かない。

そもそもビニール製品は結露する!

もっと頑丈なビニール合羽も売られています。これなら、突風にあおられて破損する心配はしなくてもよさそうです。

けれど、やはりお薦めできません

その訳は、そもそもビニール製品は湿気を全く通さないからです。外部の雨も通さない代わりに、内部の湿気も通しませんので、汗の逃げ場がありません。内部の湿度がどんどん上がってしまい、結露するんです。

試しにキッチン用のビニール手袋をはめてみるとよくわかります。じっとしていても内側に湿気がたまるのが分かります。もし、ジョギングしながら手袋をしていたら、結露して内側がぐっしょり濡れてしまいます。

つまり、レインウェアに求められる機能は、防水性は当然として、湿気を排出する機能が不可欠です。

背中に風通しスリットがあるレインウェアはどうか?

自転車用のレインウェアとか一部のウィンドブレーカーには、背中に通気用のスリットがついています。これなら、ボディから発生する水蒸気が排出されるので、よさそうな気がします。

でも実際に着用してみると、じめじめベタベタしてしまうのが分かります。

通気用のスリットでは、湿気の排出は十分ではありません。

透湿撥水素材のウィンドブレーカーはどうか?

ウィンドブレーカーの中には、透湿撥水をうたったものがあります。雨水をはじき湿気は排出する、というのですが。

価格もお手頃価格なので買って試してみました。

けれど、残念! 雨水をはじくとは言っても、それで対応できるのは、短時間の小雨の場合のみ。長時間、雨に濡れていると、雨水が沁みてきて結局カラダはびしょびしょ。

山歩きで久住山に登る場合のレインウェアはやっぱり湿防水素材!

そういうことから、山歩きで久住山程度の山に登る場合、レインウェアは透湿防水素材のものを選びましょう。

透湿防水素材のレインウェアには、風通しのスリットなど必要ありません。だから、雨が降っていない時にも、風除けのジャケットとして活躍してくれます!

透湿防水素材はどのメーカも同じなのか?

さて、透湿防水素材のレインウェアを選ぶ場合、どのメーカーも同じなのでしょうか?

モンベルのレインウェアを買ってみた

25年ほど前のことです。

当時、福岡市のキャナルシティ博多にアウトドアショップがありました。たまたま立ち寄った時、mont-bellのレインウェアが目に止まりました。しっかりとした作りのウェアで信頼できそうだったことと、「ゴアテックス」という札が下がっていたので興味が沸きました。

その場で、実際に試着してみて驚きました。明らかに、カラッっとした試着感!「GORE-TEXがいいらしい」という噂は耳にしていましたが、とても納得し、買って帰りました(初めてです)。

山歩きにこのレインウェアを持っていくと安心感が違った!

買って帰ったモンベルのレインウェアを、山歩きの時には、たとえ晴れていても必ず持っていきました。

  • 山の上は風が強くて寒いことがある⇒着用すると風除けシェルターになる!
  • 万が一雨が降り出しても、着用するとカラット感で快適!

というわけで、安心感抜群でした。

スキーウェア代わりにも使えた!

自分がよくお世話になる中国地方のスキー場は、気温が高めです。低いときでもー4℃。高いときは+5℃。このため、雪面がびしょびしょしていることはザラでした。雪が降らずに小雨になることも。

そこで、このモンベルのレインウェアです。小雨でも雨が沁みて来ないし、びしょびしょの雪面で尻もちついても濡れないので快適でした!

日常のウィンドブレーカーとしても活躍!

カラッとして着心地がいいこともあり、日常使いのウィンドブレーカーとして、頻繁に着るようになり、本当にいいアイテムを手に入れたものだ、と思いました。

ただ、そうやって使用頻度が増えると色やデザインにも凝りたいなと思うようになり・・・。

デザインが気に入って他社のレインウェアに乗り換えたが

そんな時、あるメーカーさんの透湿防水レインウェア(ゴアテックスではない)のデザインがとても新鮮で気に入り、乗り換えてしまったのですが・・・。

雨の日にこれを着用していると、内側に結露するような気がするんです。気のせいかな?

そして何年か使っているうちに、雨水が沁みてくるようになりました。裏側からよくよく見ると、素材が剥がれ落ちて透き通って見えるんです(ショック)!

それに対して、古くなった方のゴアテックスレインウェアは、シャワーをかけてみましたが、水は全く沁みません。それでいて、着用すると、カラットした感じは保たれているのです。

このモンベルのレインウェア、25年も使っているのに、基本性能はずっと維持されているのです。

これがゴアテックスの凄いところだ、とあらためて思いました。

教訓

透湿防水素材はどのメーカも同じではない。ゴアテックスは25年経っても透湿防水性能が変わらない!

【山歩きのレインウェア】初心者に高価なゴアテックスって?~まとめ~

最近手に入れた、モンベルのレインウェア。

ゴアテックスを使っていますのでジャケットだけでも20,000円ほどしました。

でもこのレインウェアが1着あれば、

  • 山歩きに持っていくと、いきなり雨が降り出してもカラダを守ってくれる。
  • 強風で体温が奪われそうなとき、カラダを守ってくれる。
  • 着用するとカラッとして気持ちがいい。
  • 何年にも渡って末永く使用できる。

ということを考えると、山歩きを始める最初に買っておいて、末永く使うのが得策ですよ~♪

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