山歩きを始めるなら靴はどの程度のものを用意すべきか?これを考えるには、失敗談を知ることが重要です。そこで、この記事では失敗から学んだ、山歩きの靴で満たすべき3つの条件についてお話しします。
ガチな登山はするつもり無しでも、是非、ご覧になってください!
目次
そもそも山歩きの靴の役割は何か?
ここで言う「山歩き」とは、久住山登山程度。
一口に山歩きと言っても、高原を散歩する程度の山歩きもあれば、12時間ほどずっと登り続けるような山歩きもあり、千差万別。そこで、この記事では、具体的に阿蘇くじゅう国立公園にある久住(くじゅう)山(標高1,786メートル)登山程度の山歩きを想定してお話しします。
久住山登山というのは、やまなみハイウェイの牧ノ戸峠登山口(標高1,380メートル)からの標高差が400メートル程度の軽登山です。ゆっくり登って3時間程度の行程。最初は木立の中を通り抜け、途中からは岩が転がる火山性土の道を進み、最後は砂利のような岩がごろごろした坂を登って山頂に到着。山頂からは九州全体が見渡せる(実際には、遠くがかすんで見えませんが)ので、人気です。
このため、小学校・中学校・高等学校などが宿泊学習中に団体で登っているのをよく見かけます。
標高差が400メートル程度、ゆっくり登って3時間程度の軽登山。
山歩きの靴の役割とは
一般的に外出する際には靴を履きます。車の運転をするにしても、電車に乗るにしても、ショッピングするにしても。履くのが当たり前だから靴(サンダルなども含めて)を履くのだと思います。常識破りが好きなら、電車に裸足で乗っても悪くはありません(笑)。
でも、「山歩きの靴」は、「当たり前だから・みんなが履いているから履く」というのとはちょっと違うのではないでしょうか。「履く必要があるから履く」のではないでしょうか。
私が思う靴の必要性、つまり、失敗から思い知った山歩きの靴の役割はコレ↓↓↓↓
無事に下山できるようにするのが山歩きの靴のもっとも重要な役割である!
これは、「しまった~」という経験をして分かったことなので、これから、過去の失敗談をご紹介しますね。
山歩きの靴「失敗談」
失敗談1:同行した友人の靴に起きたとんでもない事態!
ある時、山歩き仲間と、久住山程度の山に登っていました。すると参加した斎藤さん(仮名)の靴にとんでもない異変が起きました。
斎藤さんは、山歩きを始めたばっかりだったので、靴をまだ購入していませんでした。それなら、とりあえず普通の運動靴でよかったのですが、せっかくだからと、知り合いから使い古した登山靴を借りていたのです。
すると、山頂へ向かう途中で、突然、異変が起きました。
みんなちょっと待って、靴が剥がれちゃった!
よくよく見ると、靴底(ソール)が、剥がれてしまったのです。
こうなると、登頂は中止です!
なぜなら、靴底が剥がれた状態でこれ以上進むのは不可能だし、靴底無しの下山だって不可能だからです。
もし靴底無し(つまり裸足)で山道を歩くと、ゴロゴロ転がっている尖った石で、足裏を損傷してしまいます。すると痛いだけではなく傷口から破傷風(はしょうふ)菌が侵入する恐れもあるのです。
そこで、同行したみんなで知恵を絞りました。幸い、テーピングを持参していた友人がいたので、シューズとソールをテーピングでぐるぐる巻きにして下山を試みました。
これである程度進みましたが、残念ながらテーピングの耐久性は貧弱なもので、途中でまたソールが外れてしまいました。
そこで、次は、ジャケットに使われてる紐を抜き取って、紐とテーピングを組み合わせてソールを固定。
この処置は上手く行き、無事に駐車場まで下山でき、ほっとしました!
失敗から分かる山歩きの靴の条件1
ソールが脱落した斎藤さんの靴は、もともとは、クオリティの高い高価な登山靴のようでした。しかし、どんなに優れた靴でも、経年変化には勝てません!
つまり、山歩きの靴の第1条件は、経年変化して弱っていない靴ということになるでしょう。
山歩きに使う靴は、経年変化で弱っていない靴であること!
失敗談2:カジュアルなデザインで選んで爪が!
これは、私自身の失敗談です。
靴を買いに行くと、「この靴はカジュアルなデザイン。軽登山でも街中でも気軽に使えます」というキャッチが目に飛び込んできて、つい、買ってしまいました。(教訓:デザイン性で決めるのは間違いです。)
さっそく、このカジュアルな登山靴を履いて、友人と山に登ったのですが、下山した後、靴を脱いでびっくり。
え~っ、足の爪が割れている!!
山歩きでは靴紐の締め方が重要です。特に下りは、靴の中で足が前にずれて指を圧迫しやすいので、靴紐をしっかり締めて、つま先が靴に当たらないようにする必要があります。
このとき履いていたカジュアルな登山靴は、紐を締める時になぜか固かったんです。本当に締まっているのか今ひとつはっきりしない、という靴でした。爪が割れたということは、締まってなかったんです!
失敗から分かる山歩きの靴の条件2
山歩きの靴は安くありません。
せっかく買うなら、日常使いもできるデザインの登山靴がいいな・・・、と思ってしまうのですが、この判断が間違いでした。
つまり、山歩きの靴の第2条件は、履き心地がよく靴紐の調整が自由に出来て、足先を守ったり足首を守ったりすることが可能な靴、ということになるでしょう。
山歩きに使う靴は、履き心地が良く、紐の調整が自由に出来る靴。これにより、登りや下りの状況に合わせて、足首を守ったり足先を守ったり出来る。
失敗談3:雨水で足がふやけた!
これも私の失敗談です。
夏場に山歩きすることが多かったことから、山歩きの靴を「通気性優先(防水性は無くていい)」と考えて選んだことがありました。万が一、雨で濡れても気にしないからいい、と思っていたのです。でもこれは間違いでした。
あるとき、山歩きの途中に雨に見舞われました。もちろん山歩きに雨はつきもの。透湿防水素材のレインウェアと靴を着用していれば、カラッとした体感で気持ちよく歩けるものです。しかし、このとき履いていた靴は通気性優先の靴。当然ながら、靴の中は、びしょびしょに濡れました。その状態で、何時間も山を歩くことになったんです。気が付くと、
足がふやけている!
靴の中に雨水が侵入し体温で温められて温水になり、そこに足がずっと浸かっていたことになりますから、ふやけて柔らかくなってしまったんです。⇒⇒⇒⇒⇒足は豆だらけ(涙)
失敗から分かる山歩きの靴の条件3
濡れて多少気持ちが悪くてもいいや、というのは学生時代の話でしょう。大人の山歩きの大原則は、「カラダに優しいこと」だと思います。幸い、山歩き用品が進歩して、カラダに優しい透湿防水性能を持った靴が出回っています。
大人の山歩きに使う靴は、透湿防水性能を持った靴。ゴアテックス製の靴は満足できる性能です。
※ゴアテックス以外の透湿防水靴は使ったことが無く、言及いたしませんのでご了承下さい。
【山歩きの靴】山歩き初心者でも満たすべき靴の3つの条件~まとめ~
最後までお読みいただいてありがとうございます。
「たいした山には行かないし、山歩きはちょっと楽しむ程度だから、靴はテキトーでいいかな」
とお考えの方もいらっしゃるようですが、「靴=移動手段」です。靴がダメだと、最悪、身動きが取れなくなってしまいます(これを遭難と言います)。
安全で楽しい大人の山歩きを堪能するためにも、靴選びは慎重にしたいものですね~♪
参考1:今使っている山歩きの靴
そんなこんなで失敗を重ねた結果、現在は、この靴を使っています。
MERRELL(メレル)、 トレッキングシューズ モアブ2ミッドゴアテックス メンズ。
参考2:それでも非常に備えて
それでも、靴のソールが剥がれるなどのトラブルに備えて、紐とミニはさみをリュックに入れています。
紐もいろいろありますが、予備の靴紐または、テント固定用の紐です。万が一怪我をした場合にも、役にたつでしょう。
分かりやすく勉強なりました
靴選びは、慎重に!
そして、登山靴のケアなど、日頃から暇がある時に、チェックすると良いですね
これからの登山は、予備の紐など、応急処置できるアイテムを持参しようと思いました☝️
参考にしていただいて
ありがとうございます!